ファスト風土に騙されるとは
僕は喫茶店巡りが大好きで、地元の喫茶店をによく通います。
喫茶店というのは素晴らしいもので、タバコも吸えて、日頃溜まったストレスなどが吹き飛び、明日の活力が生まれて来るものです。
僕は京都に住んでいるのですが、京都の繁華街にはこれでもかというほど喫茶店が軒を連ねており、全てを回るのは時間的にも金銭的にも厳しいなぁと思っていました(笑)。
そこで僕の中には
繁華街には喫茶店があって当たり前
という勝手な考えが出来ていました。
しかし、熊本に用事があり一週間ほど滞在することになったのですが、
熊本の繁華街に喫茶店が全然ないのです!!
スターバックスやチェーン店の喫茶店はポツポツあるのだけれど、個人喫茶店と言うのがなかなか見つからない。
喫茶店てタバコを吸うのが大好きなな僕にとってはまさに目から鱗の光景でした。
あまりに喫茶店が少ないせいか、
パチンコ店がここで一服しよう(笑)
という看板を出す始末だっりします。
そこで都道府県別コーヒー消費額を見てみると
コーヒーの消費額の都道府県ランキング(平成28年) | 地域の入れ物
というように当たり前といえば、当たり前の結果が出てきました。
そりゃあ熊本に喫茶店がぜんぜんないわけですわ(笑)
ここで思い出したのは、
ファスト風土
という少し前に流行った言葉です。
ファスト風土というのは
三浦展の造語。地方社会において固有の地域性が消滅し、大型ショッピングセンター、コンビニ、ファミレス、ファストフード店、レンタルビデオ店、カラオケボックス、パチンコ店などが建ち並ぶ風景が全国一律となったことをさす。
というように、固有の地方性がなくなり風景が全国一律になる。
と言ったことを指すようです。
街に出れば、同じようなチェーン店が並び、パッと見るとどこも同じ街のように感じる
この感覚は僕もずっと持っていました。
だから僕も地域の独自性が重要だなぁ
と漠然と考えていました。
しかし、いざ街に出て見れば、同じチェーン店が並ぶなかでも、よく観察するとその街の特性はよく現れているものです。
そこに気づかず、目立つものばかりに目を奪われたら当然このような感覚に陥るだと思います。
ファスト風土というのは、風景が全国均一化していくという理解ではなく、
街を見る自分の目が均一化している
実はこうではないのかと思うようになりました。
同じような物ばかりが印象に残り、その結果どこも同じような街に見える。
そう考えると、いかに自分が周りと同じような目で街を見ていたかと言うのがよくわかります。
同じような街だと思うから同じ街に見える情報ばかり集める。
少なからず、このような意識があったのだと改めて感じました。
よく書を捨てよ街に出よう と言いますが
まさにその通りだなぁと思った今日この頃でした。